新作のタルトはオレンジ、パン・デピス、そしてマロンのコラボレーション。

皆様お元気ですか?如何お過ごしでしょうか。
只今フランス全土で燃料価格の高騰や燃料税引き上げに反対するデモMouvement Gillets Jaunes « '黄色いベスト運動 »が行われている、というのは日本でも沢山報道されている事かと思います。パリでは毎週末にシャンゼリゼ大通りがブロックされ、大規模なストライキが行われておりますよ。日本の友人からも安否確認を含む沢山のメッセージを頂きました。

パリ12区、バスチーユ広場近くに住む私は、至って変わらぬ日常を過ごしており、日々ニュースで報道される暴力的な風景を、まるで別世界の事の様に傍観しております。職場のある6区、オデオン~サン・ジェルマン・デ・プレ界隈も至ってのんびりしたものです。
ストが開催される場所はあらかじめ予告され、国家憲兵隊が総動員でセキュリティにあたり、現場近辺の地下鉄・バス共にブロックされる為、逆に現場に近づこうと思っても相当の努力が居る事でしょう。パリにご旅行を予定されている皆様には、普通の感覚で常識を持った行動をすればマニフェスタシオンに遭遇する事は無く、余計な心配をする必要は無い、と申し上げたいと思います。

冒頭の写真は、弊社アン・ディマンシュ・ア・パリの新作、12月のタルトレット。
ずばり『クリスマスがいっぱい!』。コンポジションはブラッドオレンジのコンフィ、パン・デピス(ジンジャーブレッド)、そしてマロンのガナッシュ・モンテ、仕上げにはシナモンを少々降らせて。

「12月と言えばクリスマスでしょ。新作タルトレットには、クリスマスの風味を全部詰め込んだんだ。オレンジ、パン・デピス、マロン、シナモン。僕が小さかった頃、パン職人だったおじいちゃんが良く言ってたんだよね。皆が貧しくて物が無い戦時中に育ったおじいちゃんは、クリスマスプレゼントが蜜柑一個だったんだって。それでも嬉しかった。今は子供達が甘やかされて、クリスマスプレゼントを沢山買って貰える。スマートフォン、ニンテンドー、大人顔負けのプレゼントの山。僕はそういうのがあまり好きじゃない。
Hirokoはどう思う?ジャポンはやっぱり沢山プレゼントを貰えるの?」とニコラシェフ。

先日の城素穂さんの記事、『「なんでもない日おめでとう!」の言い訳。』を興味深く拝読し、ああ、そう言えばウチもそんな感じだったなぁと。割とイベント事、記念日はスルーされ、特に誕生日は自己申告制!そんな家に育ったけれど、寂しさを感じた事はまったく無かったなぁ。普通の日こそが特別な記念日!今改めて両親に感謝。(先日のマダムビジュー様のコメントにちなみ、この誌面を借りてフランス式に愛を言葉にして伝えます。あは。)

一度だけ、小学生の頃だったでしょうか、クリスマスの朝起きた時に、枕元にプレゼントが置いてありました。私にはなぞなぞの本と宇宙と星座の本。姉には動物の図鑑。彼らは今でも実家のどこかに隠れているはず。
空気感まで鮮明に蘇るクリスマスの朝の記憶と、今は亡きニコラシェフのおじいちゃんの思い出が詰まった12月のガトー。クリスマスがいっぱいで愛に溢れている。