ニコラシェフの少年の頃の思い出が詰まった新作ガトー

皆様お元気ですか?パリは冬時間を迎え、日が暮れるのがより一層早くなりました。
冬時間とは、10月の最終土曜日の深夜3時に時計の針を一時間遅らせる、というもの。
スマートフォンやパソコン上では寝ている間にオートマティックに時間修正されるので、あれ?そういえば冬時間っていつの間に過ぎたの?なんて、意外にフランス人にとっては重要なイベントではない様ですが、日本には存在しない夏時間・冬時間の制度が、私にとってはとても新鮮で、いつだったか、時間の切り替わりの瞬間を体験しよう!と、深夜3時まで携帯の画面を凝視した事もあります。そんな時間の切り替え制度も賛否両論あり、色々な議論の末、今後廃止になってしまうとの事。

さて、本格的な冬の到来、暗く長いフランスの冬ですが、お楽しみも沢山。
私の大好きな牡蠣の美味しい季節です。お気に入りのコートやブーツ、グローヴの出番。店ではマダム手作りの恒例のクリスマスのデコレーションの準備。街中のクリスマス用のイルミネーションが点灯し始め、特に夜のパリは全てがキラキラし始めるこの季節。話題は早くもクリスマスプレゼント何にする?なんて、皆が愛する家族、友人、恋人を喜ばせる事を密かに考え始める。ブティックのショーウィンドーもゴージャスになり、ウィンドーショッピングが楽しい。

カフェのテラスはストーブが付きポカポカに。太陽の光がたっぷりの開放的な夏のテラスとは違う楽しみが。それはシナモンたっぷりのヴァンショー、ホットワインが楽しめる季節。愛する人と肩を寄せ合って、白い息をはきながらお散歩する極寒のヴァンセンヌの森も好きだったなぁ。
パリの街はどの季節でも楽しもうと思えば素敵な事が沢山。幸せになる決意、順調に継続しています。

冒頭の写真は弊社アン・ディマンシュ・ア・パリの新作、11月限定のココナッツのタルト。コンポジションは、ヘーゼルナッツのビスケット生地に、ココナッツのコンフィ、そしてミルクチョコレートのガナッシュがヘーゼルナッツ風味のチョコレートでコーティングされています。あれ?ビジュアルがいつもの女子力全開のニコラシェフの作品らしくない?!

フランスの子供達が大好きなチョコレートバー・ボンティ。頭が痛くなる位甘~いのですが病みつきになる美味しさ。フランスにお越しの際は是非一度お試しあれ。

「ハロウィンが近づいて来た時に急に思いついたんだ。子供の頃に親によく買って貰って食べたチョコレートバー・ボンティに因んだガトーを作ってみたくなって。駄菓子(フリヤンディーズla friandise)って大人になっても時々食べたくなるんだよね。今でも大好きなんだ。」とニコラシェフ。
高級パティスリーのトップシェフでありながらも、少年の心を持ち続けているシェフの素顔を垣間見た様な気がして、胸がキュンとなってしまった私。

そういえば今私がフランスで生活しているきっかけも、ずっと遡れば、幼少時に親に連れられて観た欧米の白黒映画だったり、父親の海外出張土産のオルゴール付きのフランス人形だったり、それが漠然とした海外への興味・憧れのはじまりだったのだから、子供の頃の思い出が今の私を創っているとも言える。
人生の岐路に立ち不安や迷いが出た時に、幼少時の思い出のフラグメントが生きるヒントをくれる事を知った時、当時ミモレ世代真只中であったであろう両親には感謝の念に絶えません。