先日帰省した札幌は、秋の穏やかな快晴でした。急に思いついて、父とへ。お弁当を準備する暇がなかったので、近くのお店で買ったサンドイッチ。熱いコーヒーをポットに入れ、芝生の上に引く敷物と、父のためのひざ掛け、そして折りたたみの椅子を部屋から持ち出しました。それを全て車に乗せて、モエレ沼公園へ。

 

駐車場の目の前は見渡す限りの芝生です。点々と小さなテントが並び、思い思いにお弁当を食べたり、自転車に乗ったり、ボール遊びをしたり。子供たちも走り回っています。広い広い緑と空は人をゆったりと受け止めて、結構な人がいても人口密度はとても低いのです。

「外でお弁当を食べるのはいつ以来だろう」と父。笑顔がほころんで、とても気持ち良さそうです。秋の空にたくさんのトンボが飛んでいます。2匹が父の帽子に止まりました。たわいない会話と心地よい空気。膝の悪い父も、折り畳みの椅子のおかげでゆったりと楽に過ごしています。こんなに身近に、こんな幸せな時間があるとは。豊かさとは持っているものの価値に気づくことーーというウィリアム・モリスの言葉を、改めて思いました。

 

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