「これから」の社会がどうなっていくのか、100年時代を生き抜く私たちは、どう向き合っていくのか。思考の羅針盤ともなる「教養」を、講談社のウェブメディア 現代ビジネスの記事から毎回ピックアップする連載。

「吹奏楽部を退部するか、休部するか、続けるかで悩んでいます」
「バトン部の上下関係が厳しすぎて辛いです」
「後輩の方が上手で落ち込んでしまいます」

中学生や高校生を中心に、毎日のようにこういう悩みが書き込まれているのが、ライターの。自身の吹奏楽部の経験を活かし、野球応援好きが高じて高校野球ブラバン応援研究家としても活躍しているライターの梅津有希子さんのところに「部活をやめたい」という相談が相次いでいます。今まで受けた悩みから抜粋し、青い鳥文庫として『部活やめてもいいですか』にまとめられました。どういう経緯で悩み相談を受けるようになったのか、そしてどんなことに気を付けて悩みに答えているのでしょうか。

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取材を重ねて現場で相談を受けるように


4年前の夏、自分のブログに「」という記事を書いた。

吹奏楽部出身のわたしは、完全吹奏楽目線で高校野球を観戦するのが趣味で、ライター業のかたわら、“高校野球ブラバン応援研究家”としても活動している。球場や演奏会場などで吹奏楽部の取材を重ねるうちに、吹奏楽部の生徒や父母、顧問の先生からさまざまな相談を受けるようになり、いろいろと思うところがあったのだ。

100回目の夏を終えた、今年の甲子園。
アルプススタンドでも連日熱い応援が繰り広げられた 写真提供/梅津有希子

生徒たちからは、「辞めたくはないが、体力が続かなくて辛い」「練習がキツすぎる」「先輩とうまくいかない」といったリアルな悩みが。

父母からは、「娘が音大を希望しているが、将来を考えると親としては悩んでいる」「息子が部活のことを考えると朝起きられないようで困っている」といった、親の立場の苦悩が。

そして顧問の先生からは、「最近の子どもは精神的にもろい子が多い」「父母からの理不尽なクレームに参っている」といった、同僚以外にはなかなか相談できないであろう悩みを聞く機会が増えていった。

そこで、全国各地で悩んでいる中高生たちに、「部活は、体を壊したり、心を病んでまで続けなければいけないものではない」ということをとにかく伝えたくて、 前出のブログ記事を書いたのだが、数ヵ月後、コメント欄に「ほんとにやめたい…」という匿名のコメントが付き、このたったひと言にいろいろと考えさせられたのだ。

「この子は中学生かな、高校生かな……」

「切羽詰まった感じがするけれど、大丈夫だろうか」

「夜7時の書き込みということは、部活を終えての帰り道で、何か嫌なことがあったのかな……」

「自殺を考えたりしていないだろうか」

などと心配になり、以下のように返事を書いた。

「匿名さん 部活が嫌で、悩んでいるのですね。クラスのお友達や、お兄さんやお姉さん(いらっしゃれば)にも、今思っていることを聞いてみてもらってはいかがですか? やめたい理由が何かにもよりますが、話を聞いてもらうことで、見えてくることもあるかと思います。くれぐれも、無理は禁物ですよ…!」