貴乃花親方の引退表明と「新潮45」休刊のニュースが、同時にLINEに流れてきました。それぞれいきさつは全然違うけれど、似たような結末を迎えてしまったことを残念に思いました。良い例えではないかもしれないですが、もう少しみんなでワーワー騒いでたかったのに、お話はもうおしまいとバンっと突然扉を閉められたような。え? そんな終わり方、望んでなかったのに…と多くの人が感じたのではないかと。

ミモレでも、渥美さんの「ひざカックン」連載「現代ビジネス」からの記事などニュースや社会の風潮を取り上げる記事が増えました。それもあって、最近こちらの本を読みました。

小川たまかさんの『』。小川さんは、性暴力被害にあった方の取材やルポルタージュで知られており、ジェンダー問題、働き方、教育などのジャンルの取材・執筆を精力的に行っている方です。性被害者の支援活動などにも参加されています。Yahoo!のコラム「」やを読んで、1980年生まれの同世代であること、同じ立教大学出身であることなどから興味を持っていました。

この本は2016年から2018年にニュースになった(おもにジェンダーまわりの)事件、事象などを時系列で取り上げながら、小川さんの考察が語られます。電通の高橋まつりさんの自殺に始まり、伊藤詩織さんの記者会見、#metoo告発、財務省事務次官によるセクハラ……とこの2年で本当にいろんなことが噴出したなあと振り返ることができます。

驚かされたのは、けっこうたくさんのことを自分が忘れてるってことです。

女性差別的だと放映中止になった化粧品のCMや観光PR動画、だとか……物議をかもしたことは覚えているし、2日間くらい私のSNSのタイムラインはその話題一色!!だったのに。

わーーっと騒いで、さっと忘れる。
あちらも、謝罪でもない謝罪(不快な思いをされた方がいたようでしたらすみません的な)でさっと下げて、以後気を付けます!でなにごともなかったかのように……。

その繰り返しなんだな~とあらためてこの本を読んで思いました。

貴乃花親方の引退は残念だけれど、相撲界の闇、そしてパワハラ問題から端を発し、スポーツ界の「なかったことにされていた」いろいろが露呈しました。

「新潮45」掲載の生産性発言も痴漢発言もヒドイけれど、LGBTに対してそういう思想をもっている人もたくさんいるってことが表面化したことには意義があったと思いました。言論誌や文芸誌の売り上げは厳しいけれど、ヘイト本や右翼本は売れている、というのは事実なんですよね。

みなさんはどのように感じられたでしょうか。

情報の分断(似た意見のニュースしか入ってこない)によって、「まさかトランプが勝つと思ってなかった」みたいなことが日本でも起こりつつあるのだと感じました。

小島慶子さんがミモレ大学の講演の中で「『多様性』はしんどい」と語ってらした。「価値観の違う人たちと一緒に働いたり、暮らしたりするのは幸せどころか、大変なことです。“言わずもがな”みたいなことが通じないですからね」と。本当にその通りですよね。きれいごとだけではやっていけない。

じゃあ、どうなれば正解なのか、今私に答えはないけれど、多様を多様なまま受け入れるってなかなかの覚悟と知識がいることだ、と思ったのでした。

講談社から出ている本『』。隣の編集部の本棚で見つけて読んでみました。自分が見ているタイムラインはすごく狭い狭いほんの一部だったんですねえ。

少しお堅い思想の話が続いてしまいました(汗)。

気が付いたら秋! やっとクーラーをつけずに寝られる季節がやってきました。読書の秋ですね(って一年中、季節にかこつけてそんなこと言ってる気もしますが……)。次からは、エンタメ系の文庫をご紹介したいと思っています。

あと、Instagramのライブか動画でも、“ミニ読書会”のようなみなさんと本の話をダラダラ、ツラツラとできる企画をやれたらなあと考えています。どんなことができたら楽しいかな~。アイデアありましたらぜひ!