「おしゃれは誰かと比べたり、お金さえあれば手に入るものを欲しがったり、ましてや流行に振り回されたりするためにあるではなく、『今の自分に心地よいスタイルを見つけて、愉しく生きる』ためにある」と語るのは、ファッション・エディターの山際恵美子さん。マガジンハウスのモード誌「GINZA」の元編集長で、ミモレ大草直子編集長の著書の編集担当者でもあります。そんな山際さんが、今年上梓した話題の新刊より、今日から3回にわたって<山際メソッド>をご紹介します。

「ワンシーズンに3パターンの基本スタイルがあればいい」と山際さん。まずはボトムス編です。
 

40歳以降のコーディネートの主役はボトムス


そもそも、なぜワンシーズン3パターンなのでしょう?
1週間は、7日間です。このベストな3パターンがあれば、1週間に2回ずつ着たとしても、たとえば毎日同じ人たちに会うオフィスワークの方でも、問題なく過ごせるはずです。毎日違ったイマイチなコーディネートをするより、選りすぐりのお気に入りを週2回ずつ着るほうがハッピーになりませんか?
そのハッピーオーラが周囲に伝わり、また、あなたらしい「スタイル」が認識されるので「素敵ね」という評価にもつながっていきます。
 
では、まず私の、とあるシーズンの3パターンをご覧ください。

ベージュは私のベースカラー。遊びのある形のスカートで取り入れます。3パターンを決める土台となるボトムスは、自分のベースカラーから選ぶと、コーディネートが楽に。オールマイティな白シャツは、1年中活躍します。
ボトムスの2着目は、きれいめのレース。こちらもマイベースカラーのグレー。膝下丈で脚を見せて。バッグも白が効きます。大ぶりのタイプでバランスをとって。春夏のアクセサリーは、バングルが主役に。
マイ定番のひとつ、白のデニム。クラッシュタイプをチョイスして、いつもとひと味違う方向に。バッグと靴はフォルムの遊び、ポップな色が、主役級の活躍をしてくれます。シャツワンピースは、コートとしても着られて便利です。

このスタイルを決めるポイントはどこにあると思いますか?
答えはずばり、ボトムスです。
ボトムスとはいわゆるパンツやスカートのこと。
40歳以降のコーディネートの主役はボトムスです。
なぜなら、年齢を重ねるに従い、悩みはウエストなどの下半身に集中してくるからです。ボトムスこそが「おしゃれの土台」となり、コーディネートを組み立てるキーアイテムとなります。では、ボトムスを選ぶポイントをご紹介しましょう。
 

遊びをいれたロングの巻きスカート

くるぶし丈のロング巻きスカート。ウエストのリボンが縦長をさらに強調します。


レースのタイトスカートは
エレガントにもカジュアルにも!

テッパンのレーススカート。きれいめコーデはカンタンだが、カジュアルに着たい。


定番のデニムはホワイトを

白デニムは、実はそれだけで「ぬけ感」が出ておすすめです。キレイに見える丈感で。


スカートは「あなたに似合う丈とシルエット」を探そう


パリジェンヌのような着こなしで人気のデザイナー、島田順子さん。
ポップでエレガントな独自のスタイルが素敵ですが、彼女のスカートスタイルのほとんどが膝下丈のタイトスカートです。
自分を一番美しく見せる丈やシルエットを熟知されているのだと思います。

私の場合、膝から下の脚は自分の身体でもっとも好きなところです。
ですからスカートは膝下ギリギリか、細い足首に視線のいく九分丈を基本にしています。前述の2枚は、この基本の上でチョイスしました。

このように、まず、鏡の前に立って「自分のスカート丈」を決めてください。
その際重要なポイントになるのが、
「膝を出すのか、出さないのか」ということ。
若いころと違って、40代以降の私たちは膝を出さないほうがあか抜けて見えます。
膝頭がどうしてもしまりがなくなってしまうのが、この年代からだからです。
膝は脚が太い、細いという以上に、年齢を感じさせてしまいます。
相当のお手入れをしていれば別ですが、くすみも大いに気になります。
ですから、膝下何センチくらいが自分の脚をもっともキレイに見せるかを、鏡の前で確認してください。
スカートが苦手という方も、このバランスさえ見つければ、新しいスタイルにチャレンジできます。

そして次はシルエット。
タイトスカートが似合うのは、Vライン体型の方。
フレアーやギャザースカートがおすすめなのはAライン。Iラインの人は、どちらもトライできます。
いずれもヒールだけでなく、フラットシューズやスニーカーでも合わせられるデザインかをチェック。コーディネートの幅がぐんと広がります。
 

パンツはヒップで選ぶ


ボトムスで難しいのはパンツ選びです。
私もデニム以外のパンツを選ぶのが本当に大変でした。
でもある日、気づいたのです。パンツスタイルがかっこいいか、野暮ったいかを決めるポイントがどこにあるか。
あなたはパンツを「どこのサイズ」で選びますか?
ウエスト?
いいえ、答えはヒップです。
ヒップがきれいにフィットしているか。
お尻の後ろに変なシワができるのは、ヒップがあってない証拠です。
ヒップを合わせたらウエストが合わない場合はウエストの方をお直しして。
パンツスタイルが素敵に見えるのは、サイドから見てもバックから見ても立体感のあるヒップが最大のポイントになるからです。
必ず試着して、ベストな1着を選んでください。
前だけでなく、サイド、バッグをチェックして、ヒップがきれいに見えているかを確認する癖をつけましょう。

それが終わったら、次はラインです。
ウエストやヒップが合っていても、足をきれいに見せるラインでない場合は避けた方がよいです。実際にしゃがんでみたり、ウエスト部分の余裕を確認するのも大切。また、パンツを買うときは、必ずそれに合わせる靴で出かけることもお忘れなく。
パンツのシルエットもそのときどきの流行があります。
比較的誰にでも似合い、1本あって損がないのがテーパードパンツです。腰回りに比較的余裕があり、裾にむけてスリムになっているパンツです。
丈はくるぶしギリギリの9分丈に。
こうしておけば、パンプスでもローヒールでも、スニーカーでも合わせやすいのでまさに万能選手です。

3つのボトムスを選ぶポイントは、それぞれ違ったテイストにすること。カジュアルなデニムに、きれいめなレースのタイトスカート、ちょっと遊びをいれたロングの巻きスカートといった具合に。
① カジュアル
② きれいめ
③ トレンド(遊び)

この3つを揃えると、毎日のコーディネートに変化がつけられます。
この土台がしっかりしていれば、合わせるトップスで、変幻自在なコーディネートが可能になります。

ファッション・エディター&編集プロデューサー 山際恵美子

東北大学卒業後、ロータリー財団奨学生としてフランス留学。帰国後「エル・ジャポン」創刊メンバーとして編集の道に入る。ファッション雑誌「GINZA」元編集長。フランス語と英語を生かし、ミラノ&パリコレクションを10年以上最前線で取材。マーク・ジェイコブスやシャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルドの単独インタビューなど独自のアプローチで注目を集める。雑誌「エル・ジャポン」「クロワッサン」「GINZA」を経て、書籍編集に移り、「断捨離」担当編集はじめ、ファッション、美容、医療、料理、ライフスタイルなど幅広い書籍を出版。2016年マガジンハウスを退社後、ファッションアドバイス、執筆・編集、講演などで活躍中。オフィシャルブログ: :

 

<新刊紹介>

山際恵美子 著 1400円(税別) 大和書房

服の見直しの極意、元マガハ編集長が伝授!
たくさんあるのに「着る服」がない人へ。白デニムは難しくない。人生が変わる服の捨て方選び方、あなたを一気に垢抜けさせる方法!【「クローゼット」を見直す 「おしゃれの引き算」レッスン】【「買い方」を見直す 「買ってはいけない服」を知る】……などなど、「減らさなくてはいけないと思いながら、ちっとも減らない」「たくさんあるのに、いつも同じ服で出かけている」「若いころから服の好みが変わらなくて困っている」……そんな悩みが解消できる最強の「山際メソッド」が詰まっています。


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撮影/最上由美子 文/山際恵美子 編集・協力/藤沢陽子(大和書房) 構成/川端里恵(編集部)