初めて着けた時から、まるでずっと愛用してきたように馴染んでくれた「サントス ドゥモアゼル」。バングルとの重ねづけはせず、パールのピアスや色石のリングなど、シンプルなジュエリーと一緒に着けるのが好み。

ジュエリー雑誌の編集者としてキャリアをスタートさせた20代の頃、数あるジュエラーのなかでもカルティエのデザインと佇まいが大好きでした。ほどなく、初めてのパリ出張では憧れの本店へ。小さなダイヤのリングを購入しましたが、以来、ジュエリーも時計もカルティエにプラスオンするのが私の定番です。

初めて手に入れた時計は、20代前半で購入した「マスト」。毎日のように着け、昼夜を問わず仕事をしていた頃の私を誰よりもよく知っている存在です。その後、もう少しコンサバなタイプが欲しくなり「タンク」を購入。レザーベルトの色で遊べるところもお気に入りで、毎年色を選ぶのも楽しみのひとつです。

そして数年前、いちばん新しく手に入れたのが、ピンクゴールドの「サントス ドゥモアゼル」。「ビジネスクラスで海外を飛び回るような仕事ができたら楽しそうだな」という若い頃の夢が叶い、年に20回以上出張をこなしていた30代後半の頃でした。中国のアパレルブランドのビルボード制作のため、世界的な写真家エレン・ヴォン・アンワースにスーパーモデルを撮ってもらうという豪華なパリ出張。いつものようにカルティエ本店に立ち寄ると、いつものマダムが「とても素敵な時計が1点だけあるの」と特別に出してきてくれました。時計を買う予定はありませんでしたが、上品で優雅な佇まいに魅せられて即決。その頃は、人生でもっとも華やかに仕事をしていた時代。珍しい、控えめだけれど品格のあるピンクゴールドの時計に出会いを感じたのだと思います。

そんな風に手に入れた「サントス ドゥモアゼル」には、着けるとなぜかホッとする安心感を感じていて、今でも大切な日に身に着けるお守り的な存在です。自分で働いたお金でジュエリーを購入することは、大人への第一歩。とりわけ時計は、その時々の自分のステージに合わせて、ふさわしいものが、ちょうどいいタイミングでやって来てくれるもののような気がしています。

「タンク」のベルトは、その年の気分で更新。どんなスタイリングにも合わせられるので、デイリーユースにぴったりです。大ぶりのジュエリーとコーディネートするのが好き。
初めて手に入れた本格時計は、このカルティエ「マスト」。シンプルなデザインは、見やすくて使い勝手良好。トラッドスタイルのアクセントとして、今も活躍してくれています。

CREDIT:
(サントス ドゥモアゼルのカット
人差し指のリング/ジェムパレス
薬指のリング2本/カルティエ

(タンクのカット
中指と薬指の一番上のリング/LiniE
薬指の下の2本のリング/カルティエ

(マストのカット
アクアマリンのリング、パールピアス/bororo

PROFILE 神田恵実さん

ディレクター/Juliette主宰 ファッションショーの制作、編集プロダクションを経て大手出版社に勤務。後にJuliette.incを設立しファッションエディターとして、女性誌や書籍の編集、国内外のファッションブランドの広告、カタログやウェブ制作などを手がける。2005年にはオーガニックライフの素晴らしさと必要性を伝えたいと、「nanadecor」をスタート。プロダクト開発のみならず、ワークショップの企画、女性の雇用支援など、衣食住、様々な視点から、オーガニックライフをトータルで啓蒙。現在はオーガニックに関するコンサルティングやディレクション業務、睡眠の重要性を伝える活動、幼児教育に関するアプローチを始める。リマクッキングスクール師範科卒業、睡眠改善インストラクター。AMPPルボアフィトテラピーアドバイザー。近著(ワニブックス)¥1300も好評発売中!

構成・文/村上治子