2018.3.29

【シネマコレクション・14】
過酷な時代に“夢”をかなえる物語『小さな村の小さなダンサー』

米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。

写真:Visual Press Agency/アフロ

実話をもとにした『小さな村の小さなダンサー』は、5歳からバレエを続けていた私にとって、少し心が痛くなるような作品でした。

沢東の時代の中国でのレッスンは、子どもたちへの教え方もダンサーの選び方も見たことがないものばかり。
貧しい暮らしのなかで家族から引き離され、理不尽な状況から這い上がるようにしてダンサーになった人がいたんですね。
あの時代のひとつの現実を教えてくれる作品です。

彼が亡命をするまでの物語を観ていて思ったのは、この頃にはまだ本当の意味でのアメリカン・ドリームがあったんだな、ということ。
お金がなくても能力のある人たちが夢をつかんでいく、そのパワフルさを感じましたね。

バリシニコフが華麗に踊る昔のモノクロの映像が出てくるシーンにも、思わず興奮してしまいました。

『小さな村の小さなダンサー』
毛沢東の文化政策によって家族と引き離され、バレエの英才教育を受けはじめたリー・ツンシン。彼は悩みながらもアメリカへの亡命を決意し、やがて一流のダンサーとして成長していく。

取材・文/細谷美香
このページは、女性誌「FRaU」(2011年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。

 

PROFILE

米倉涼子/1975年、神奈川県生まれ。ミュージカル『シカゴ』に主演、ブロードウエイで日本人女性としては初めて2度の舞台を踏む。代表作にドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズ(テレビ朝日系)など。スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウの吹き替えを務める『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が、4月27日公開予定。